うつ病中にかけられると、じつはツラい意外な言葉は「元気そうだね」
うつ病中にかけられるとじつは辛い意外な言葉。
私の場合は、「元気そうだね」でした。
これは、母を始め、信頼していた上司からも言われてしまった言葉。
当時は気にしすぎて、その後体調を崩すぐらいのダメージでした。
言った相手に悪意があるわけじゃないのはわかります。わかるけど、うつ病になっているほうの心境としては、
「ちっとも元気じゃないのに…」(理解してもらえなかった)
「仮病だと思われたんだ…」(罪悪感)
「嫌味を言われたのかな…」(疑り)
と受け取ってしまいました。
おそらく、言った人はうつ病に関する知識が乏しいから、うつ病=寝込んでる、やせ細ってげっそりみたいなイメージを持っていたんだと思います。でも、母に言われたのは、休み始めて2週間後くらい。食欲が多少落ちてるとは言え、そんな短期間で見た目は変わらないし、何より、心配かけまいと、辛い体に鞭打って頑張って体を動かしていた、その時に言われたこの言葉。すごくショックでした。
「本当は仮病なんじゃないか」と自分でも自分の体調がわからなくなりました。こうなると、今度これを人に言われたら、という恐怖から外出が怖くなりました。元気そうにしてちゃいけないんだ、と思うと、姿勢は猫背になり、ますます呼吸は浅くなって動悸も酷くなってきました。
うつ病は、外からは見えない心の(脳の)病気であることを、わかっているつもりでも、こうした何気ない言葉に、患者は大きくダメージを受けます。特に、初期の頃は、どんな言葉でもネガティブにしか受け取れない思考になっていました。言った方は、「元気そうで安心した。良かった」という意味以外に他意はないのでしょうが、言われた身としては泣きたい気持ちでした。
もし、身近な人にこう言われてしまったら、「悲しいけど、悪気はないんだ」と思って早く忘れるに限ります。引きずってしまうと、「体調悪そうな自分にならなきゃいけない」と自身に知らぬうちに暗示をかけてしまいます。言い返すのも、気力がいるし、返って来る言葉は「そんなつもりじゃないよ」に決まってますから。もし、可能なら、気分が良い時に、「こう言われると、逆に辛いんだよね」とさりげなく伝えるのはどうでしょうか?私は、自分で言えなかったので、父にメールで伝えました。父が母にどう伝えてくれたかは分かりませんが、それ以来言わなくなりました。逆にちょっと過剰なぐらいで、そこまで気を使わなくても今はいいんだけどなぁ、という感じです。
その日の自分の心と体をありのままで受け止める上で、人から見たジャッジは不要です。「元気そうに見えても本当は…」という自分の気持ちを大事にして、自分が外を歩きたければ歩けばいいし、寝ていたければ寝ていればいいし。
初期は人からのジャッジに振り回されがちでしたが、徐々に自分の気持ちがわかるようになってきた、今だから振り返って思えることです。
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