うつ病中に繰り返し観ていた、優しい映画「深呼吸の必要」
うつ病中、出歩く体力はないけど、やることがなくて不安な時、DVDで映画を観ることにしました。心を動かすことは、療養になりそうだし、気分が明るくなれるものはないかなぁと思い、「笑える 映画」で検索。そうすると、「大爆笑間違いナシ」みたいなリストが。観たことないものばかりだったので、早速レンタルショップに行きいろいろ借りてみました。あんなに暗い顔でコメディ映画借りていく人、そうそういないと思う。借りたのは
・フルハウス〈ファースト〉セット1 ←これはちょっと懐かしかった
こんな感じでしたが、まあ、うつ状態だと全く笑えない・・・。
こんなにも感覚が変わるものだとは、うつろな目で見続けましたが、まず、どれも音が
きつかったです。そして、字幕を追うのもキツイ。散々でした。
コメディで元気を出そうとするのは、発病して1ヶ月のこの段階では無謀でした。
しばらくして、自然と見たくなった、昔から大好きだった作品がこれです。
冒頭のシーンを観ただけで、「あ、これはいける」と確信しました。
ずいぶん昔の作品ですが、香里奈、谷原章介、成宮寛貴、長澤まさみ、大森南朋、上地雄輔なんかが出ています。長澤まさみは、まだブレイク前くらい?初々しいです。
沖縄を舞台にしたこの作品のストーリーは…
おじいとおばあの耕作するサトウキビ畑に、期日までにサトウキビの収穫を終わらせるため、若者たちがアルバイト「キビ刈隊」として集められる。過酷なアルバイトの毎日に、垣間見えるそれぞれの過去、悩み、希望。そんな若者たちの間におこる、出会いと葛藤、心の交流が、沖縄の美しい自然の中でさわやかに描かれている。
ストーリーはあるんだけど、流れる時間の大部分は、ただひたすら、サトウキビを刈る。その姿が、沖縄の綺麗な海をバックに延々と流れています。これが、心地よくて、ずっとみて入られます。登場人物が悩みや傷を抱えているけど、大げさに取り上げたりせずに、ただそこで日々を過ごしていく中で、各自で向き合っていく、このさりげなさが心地よいです。
タイトルの通り、「そうか、深呼吸なんて、もうずいぶん忘れていたな」と思い出させてくれるこの映画。見終わった後は、毎回、自然と心が軽くなります。押し付けの元気ではなくて、頑張り過ぎていた「自分を赦す」そんな映画です。
冒頭のプールのシーンと、それについて香里奈が後半で語るシーンがすごく好きです。
「小学校の水泳大会の時、お父さんが言ったんだ、
飛び込む前に深呼吸をしなさいって。
わたし聞いたの。そしたら早くなるの?って
そしたら言ったんだ。早くはならない。楽しくなるって。
そして深呼吸したら・・・その間にみんなスタートして・・・
でも、楽しかった。ビリはビリだけどね」
音楽は小林武史さん。
「かんしょの唄」が優しくて、うつ病初期は繰り返しずっと聴いていました。
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