30代女性が過労でうつ病になってから復職するまでの記録

30歳の時に過労からうつ病を発症した女が、休職・治療・復職の体験の記録を残します。うつ病で苦しんでいる働く女性の助けになれば幸いです。

産業医はどこまで味方?会社とうつ病患者の間を取り持つ産業医について

私が、うつ病になり休職を経て会社に復職するまでの間に、何度も連絡を取りお世話になったのが、会社の「産業医」です。学生の頃には聞いたこともない職業でしたが、常時50人以上の従業員がいる事業所では、労働者の健康管理等の為に、専門知識を持った医師を選任することが義務付けられています。

 

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転職前の会社では、一度もお世話になったことがなかったのですが、今の会社に入るなり、わずか3ヵ月で毎月面談を受ける仲になりました(苦笑)今の会社では、時間外労働が一定量を超える従業員は、月に1回産業医と面談を受けるルールになっていました。と、なると、過剰な時間外労働が続いて、心身ともに負荷がかかっていることを医師に相談していたのに、なぜうつ病になり休職するほどまでになってしまったのかと思いませんか?私がいた会社の産業医の場合はですが…全く権力を持っていないんです。

 

面談では毎回こんなやりとりです。
「残業が続いていますが、お忙しいんですか?」(←そりゃそうだろ)
「上司の方はちゃんと把握してるのかしら?」
「あまり睡眠時間も十分に取れていないようですね…」
「食事はちゃんと取れていますか?あらあら、ちゃんと栄養のあるものを食べるようにしてくださいね」「忙しいのはいつまで続きそうかしら?そう、帰れる時は早く帰るようにしてくださいね」

こんな感じです。もうね、当たり前のことを当たり前に話すだけで何も解決しないんです。一応、これは上司・人事に共有され、「改善するように」言うらしいですが、これだけで改善できれば、そもそもこんな状況にならないですよねぇ。しかも、一度など、上司から「(私の部下の子が)産業医にこんなこと言ったようだけど、これぐらいで不満言われちゃたまんねぇよなぁ」と言われたので、当然自分のことも、この程度の受け止め方なんだろうなと察しがつきます。

 

 

 

こんな調子がずっと続いていたので、自分の中で産業医は「ただでさえ時間がないのに、雑談に30分も取られる迷惑な存在」くらいに思っていました。実際、会社の中での産業医のポジションですが、健康状態に関する相談を受けたら、改善するようアドバイスをするという立場で、そのアドバイスを聞き入れるかどうかは、雇用者次第というものらしいです。うちの会社では、全く力を持っていなかったんでしょうね。更に状況が悪い会社だと、役に立たない中立どころか、雇用者側に寄っているということもあるそうなので、まだマシだったのかな。

 

今回の復職にあたって産業医と事前に相談した勤務スケジュールが、実際のものと違っていて、そのことを医師に相談した時に、「産業医の言うことはあくまでもアドバイス程度で、頼りにしすぎない方がいいよ」と言われました。産業医は従業員の健康管理を全般的にします。つまり、うつ病などの精神疾患を専門的に見られるわけではないんですよね、当然ながら。内科医や精神科医が産業医をしていることが基本的には多いようですが、中には、外科医だけど副業としてやっているというケースもあるそうです。自分が真剣にうつ病の相談をしていたのが外科医だったとしたら…(苦笑)

 

会社側の人間だけど、自分の病気のことを相談する相手という微妙なポジションの産業医ですが、こういう「役割」の人、という一歩引いた視点を持って接するということも必要かなと感じています。もちろん、熱心で信頼できる産業医に当たれば、ラッキーですけどね。

 

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