休職中に不安になったので “うつ病の先輩” に会いに行った
うつ病の一番辛い時期から抜け出し、だいぶ歩けるようになった頃、偶然大学の頃の
友人(同年代の女性)から連絡が来ました。なんとタイムリーな。この友人は、大学卒業後に就職した会社でうつ病になってしまい、数年前まで休職して療養していた、いわば私にとっての“うつ病の先輩”なのです。これも何かの巡り合わせと思い、思い切って打ち明けて会ってみることにしました。
彼女がうつ病中に、一度だけ会ったことがありました。その時は、調子が良い日には少し食べることができて、なんとか頑張れば電車に乗れるかも、というぐらいの時期で、彼女は大学の頃とは別人のように痩せ細っていました。その時はまさか自分もうつ病になるなんて夢にも思っていませんでしたが。
久しぶりにあった彼女は、細さこそあまり変わってはないものの、顔色は良く、もう復職してフルタイムで働いているとのこと。私は、“うつ病の先輩”にここまでの経緯や、今の過ごし方について全部打ち明けました。彼女の「うん、わかるよ」はうつになってからこれまでもらった言葉の中で、どれよりも安心できる言葉でした。変な話ですけど、うつ病になってまで、自分の症状や過ごし方がこれで「正しいのか」というのが気になっていました。うつ病に正しいも何もない気もしますが…。そんな中で聞いた、彼女の「私もそうだったよ」はとても私を安心させるものでした。
一番気になっていた、彼女の場合はどんな治り方をしていったのかを聞きました。今の自分がどの位置にいるのか知りたかったのです。彼女は、1年間休職をし、傷病手当金が切れるタイミングで復帰したそうです。「完治して戻った」というわけではなく、まあ、タイミングで仕方なくという戻り方に少し驚きましたが、それでも徐々に体力もついて、今では普通に働けているということでした。
「同じだね」と笑いあって安心したことは他にもあって、例えば「良くないって分かっていつつも、スマホで「うつ病」って検索しちゃうよね」とか「薬に無駄に詳しくなるよね」とか。気を使わずに、素直に笑うことができる自分を嬉しく思いました。
彼女が療養中ずっと医師や家族から言われていたことが「焦らない」だそうです。彼女自身も繰り返し私にこの言葉を言ってくれました。「焦る気持ちは痛いほどわかる、それでも、焦らないこと」「うつ病は頑張ったからといって早く治るもんじゃないよ」そう言われました。これまで、親に言われたり、本に書いてあったりしても「そうは言っても…」という気分でしか受け取れなかったのに、うつ病経験者からの言葉はとても素直に受け取ることができました。
経験者に話し「わかるよ」と言ってもらえたことは自分にとってよく効く薬になった気がします。今の状態で間違っていない、大丈夫。不安だった気持ちがだいぶ楽になりました。彼女はその後も定期的に連絡をくれました。うつ病には波があって落ち込むこともあることをわかっている人だからこそ、素直に報告できて、これにはだいぶ助けられました。こういう時に自分の親は、「一度は良くなったのに悪化した」と思い「何がいけなかったんだろうね」と言っていたので。「そういうもんよね〜」って一言で済ませてくれることがどんなに嬉しかったか。彼女の存在は、自分にとって本当に心の支えになりました。
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